エントリー・タイミングはEGG

エントリー・タイミングはEGG=ESCAPE・GIVE UP・GOALの3つ。

エントリー・タイミングはEGG=ESCAPE・GIVE UP・GOALの3つ。

 

エントリータイミングの取り方は、ズバリ、自分目線ではなく、相対する他者の目線で測ること、相対する者の心情を読み取って、そこに自分の注文をぶつけることです。

押し目買いや戻り売りのとき、最後の最後で、売り買いの形勢逆転なんてこともままあるので、今回のテーマを習得することで、格段に勝率を高めることができます。

突発的なニュースや指標を除けば、マーケットが動意づくとき、その初動のきっかけは、トレーダーのEGG(逃げ、損切り、利確)であることがほとんどです。

段階的に入る、新規注文とは違って、ある臨界点に達すると一気に注文が流れ出します。

  • エントリーのタイミングが悪く、方向は合っているのに、損切りになってしまうことが多い。
  • エントリーしたあと、長時間のもみ合いに掴まってしまうことが多い。
  • インジケーターを使ったエントリーに違和感がある。

こんな方は、今回のテーマを意識、実践できることで、成績が向上するはずです。

GIVE UP=損切り

今回紹介した3つの中で、最も難易度が低く、かつパワフルなのが、損切りを狙ったタイミングの取り方です。

皆、同じようなレートで損切るので、注文が一点集中しますし、ポジションが溜まっている時間が長いほど大きく動きます。

ポイントは、レンジになっているところか、強く意識されていそうな節目を見つけるだけなので、練習すれば簡単に見つけられます。

一点、注意が必要なのは、ブレイクアウト手法に付きものの「フェイク」です。東京時間や、ロンドン市場、ニューヨーク市場の初動はフェイクになりやすい傾向があります。

これを避けるには、ブレイク1波目を捨てて、押し・戻しを待つのが理にかなってますが、実際に損切りを巻き込むと、押し戻しが極端に浅く小さくなることも多く、特にショートには、その傾向が強いと感じています。

また、レンジ内の形状によっては、ブレイク後の押し戻しの深さが違い、ブレイクしたレートで止まるとは限りません。

ブレイクアウト手法は、見た目に単純ですが、奥は深いので、リアルチャートや、FT3などの検証ソフトで、しっかり練習しないとうまくいきません。

ケース1
日足

日足でも5分足も値幅が違うだけで考え方は一緒です。黄破線内には売りポジが溜まっていて、途中で逃げたポジション以外はブレイクで損切りになります。

青1はブレイク1波目、青2は3波目ですが、それぞれ370ピプス以上延びています。

ケース2
1時間足に日足ロウソク

赤下降波61.8%の位置に高値+キリ番109.50の水平線があります。

5分足

ロンドン初動15:00に、東京安値を試してダメだった辺りから、東京時間の売りポジが逃げだします。ボクはこういったポイントで買いますが、売りポジの損切りをブレイクアウトで狙うなら、青ラインを上抜けてから青〇でエントリーします。

ESCAPE=逃げ

「逃げ」とは、目標レートに届かずに、建値・微損・微益で、手仕舞うことを指します。シナリオ通りにならなかったトレーダーは、なるべく好条件でポジションを手放そうとして、そういう感情が頂点に達したときレートが動きます。

ケース1
1時間足

青安値1・2・3でロングした人の立場で、緑のポイントを考えてみると、

青安値1で買った人は、買いポジを保有していたが、オレンジ高値を更新できずに、建値付近まで急落してしまったわけなので、押しで上がったところで逃げよう…と考えます。

青安値2で買った人は、高いところで買ってしまい、その後の急落に対応できずに含み損を抱えてしまっています。建値まで戻ったところでホッとして決済します。

青安値3は完全に高値掴みです。高値の更新を狙ってはみたものの、損切りしようと思っていたら急落して逃げ損ねています。全戻しは無理そうなので、ここで損切りです。

今回のケースでは、オレンジ高値を更新できなかったので、売り手も急落の戻り売りをしてくる可能性が高く、そこが逃げるところです。

こういう局面で一番してはいけないこと、それは、青安値2や青安値3で買った人が、全戻しを期待することです。これを期待してしまうと、完全に逃げ遅れ、損失を膨らますことになります。

ケース2
4時間足

赤縦ラインで、レートは高値付近まで上昇していて、高値圏にあります。オレンジ水平線が見えていようがいますが、これは理解できるはずです。

5分足

青1・2でロングしたとして、それぞれの立場で、緑のポイントを考えてみましょう。

青安値1はWトップのラス押し安値。緑1で上昇を試みるも上値が重く青矢印のようにはなりませんでした。ネックラインでレジされて、高値を切り下げたところが逃げれば建値撤退できます。

 

青安値2は、ラス押し安値の直下の安値で下げ幅はありません。緑2でサポートされなければ逃げますが、建値撤退するには、青安値1の裏でレジされ上がらないところでイッグジットしなければならず、青安値2を割ってからでは損切りになってしまいます。

このケースの問題は安値1と2の間に下げ幅がないことです。青安値1でロングした人がどれだけいるかわかりませんが、青安値2が真下なので、ここを割るまで耐える人も多いはず。

そうなると、ショートしても、青安値2でサポートされる可能性が高いので、青安値2を割ってから、損切りに便乗するほうが得策です。

青安値2を割るということは、青安値1+青安値2の損切りが同時に発動、さらに、もっと下から買っていたロング組の利確も巻き込ませることができます。

このように、逃げ・損切り・利確は、複合的に考えることがポイントです。Aにとっては逃げ、Bにとっては損切り、Cにとっては利確、そういうポイントなら、大きく動く可能性があります。

GOAL=利確

目標レートとして意識されている強い節目に達すると、Wトップ・ボトムなどをきっかけに利確注文が入ります。

指標トレードのように、節目での強い反発に便乗して、短期的な逆張りもできますが、今回紹介した3つの中では難易度が高いです。

あと、意識したいのは、どのタイムフレームでの利確なのかということです。日足クラスの水平線なら、波が転換するまで一日かかりますし、引いたラインでピタリ止まることは稀です。

ケース1
日足

赤〇・青〇で赤日足の水平線に達しています。日足や4時間足で取引しているトレーダーや、どこで利確するか考えてみましょう。

15分足に日足ロウソク 赤〇箇所

日足の確定でレジサポを判断する人なら、次の日足の初動をみて、緑〇で利確するかもしれません。あるいは、短期足で利確するなら、赤水平線周辺にできた、下位足のW右トップ(紫〇)や、ネックラインを抜けた黄〇かもしれません。

15分足に日足ロウソク 青〇箇所

週明けで値が飛んでますが、日足の確定でレジサポを判断する人なら、緑〇辺りで利確するかもしれません。あるいは、短期足で利確するなら、赤水平線周辺にできた、下位足のW右ボトム(紫〇)や、戻り高値を上抜けたあと、赤矢印の動きがサポされた黄〇かもしれません。

ケース2
1時間足

陽線ばかりで一方的な上昇や、陰線が小さく、目立った押し目がないときなど、利確が一気に入ることがあります。これは、急落や急騰が重要レートで止まったときにも起こる現象です。

陰線が少ない、あるいは押し目がないということは、裏を返せば、途中で利確されてないということなので、利確注文が集中しやすいわけです。

今日のまとめ

ボクのトレードは、数種類のインジケーターの組み合わせでエントリーする方法で始めましたが、その根拠にずっと納得できずにいました。

友人に誘われた塾で教わった手法は、ボリンの2σにタッチして、RSIとストキャスが反転したら逆張りというものでしたが、なぜ、そこで入るのが正しいのか、先生に聞いても明確な解答が得られず、その根拠がわからずにいました。

勝てれば、理由なんかいらないという人もいるでしょうが、少なくとも当事者が納得できるやり方をしなければ、うまくいくわけありません。

その後、そもそも、5分足や15分足を使うような、短期トレードのエントリーに、インジケーターなんていらないのではないかと思うようになりました。

その理由は、インジの出すサインは、水平線+ロウソク足のサインよりも、明らかに遅く、値動きでみると中途半端な位置な気がしました。さらに、1ピプスでも小さな損切り幅で入りたいボクとしては、そこにも納得できませんでした。

フロントガラスの外を目視すれば、スピード感もリスクも感じることができるのに、わざわざ、前を見ずに、計器類だけみて車を運転している気持ち悪さを覚えました。

気持ち悪い、しっくりこない、そういう感覚から、インジケーター離れが始まりました。

もちろん、インジケーターを使用したトレードを全面否定しているわけではありません。

時間軸が中長期のトレードや、ロジックを完全自動化するなら、インジケーターを利用するかもしれませんし、実際、そうやって上手くいってる人もいると思います。

ただし、短期のエントリータイミングにインジは、必要ないと思います。

取引時間が短くなるほど、小さな損切り幅や、逃げるタイミングが大事になってきますが、そういうのはインジでは、どうすることもできません。

5ピリオドのMAなど、極端に期間の小さなものを使う人もいますが、そもそも、平均化するのが移動平均線の特徴であって、期間の短いものは当てになりません。細かい値動きを観るなら、そのままロウソク足を使うほうが確かです。

5分足に一目均衡表を出すのも変です、あれは、日足とか大きな足で使うものです。

ただ、インジを相場の環境認識で使うのはアリです、遅効性が故のメリットは、そこにあるかなと思います。ボクもボリバンをそうやって使っています。

何事にも適材適所があります。インジには開発者の意図があるので、その特徴を活かして使わないと、意味がありません。

今回のテーマを違和感なく実践できるようになれば、計算式で加工された二次情報ではなく、生のままの一次情報を、そのまま、トレードに活用できるようになり、インジケーターでエントリーするという呪縛から解放されます。

ボクは、インジケーターのことを考えなくてもよくなるだけで、ゴールまで半分くらい一気に進んだ気分になりました。

“You can’t make an omelet without breaking a few eggs.“

卵を割らねばオムレツは作れない。

今回のテーマは、短期トレードのブレイクスルーには欠かせない発想です。

EGGを意識的に探してみれば、グンと力がつきます。

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